令和4年12月22日(木)14:00~16:30にて,金沢大学 教学マネジメントセミナー2022『教学マネジメントのあるべき姿を考えよう! ~自律的学習者を育てるために~』をオンライン開催し,学内外の教職員・学生136名が参加しました。本セミナーは,金沢大学が務める文部科学省「知識集約型社会を支える人材育成事業」幹事校の企画として,教学マネジメントに関する理解を深めることを目的に開催されました。
冒頭,金沢大学 森本 章治 理事(教育・高大院接続・大学院改革・情報担当)・副学長より開会挨拶・趣旨説明がありました。
まず,熊本大学 大学教育統括管理運営機構 川越 明日香 准教授より「熊本大学における3つのポリシーに基づく教学マネジメントの姿 ~学士課程・大学院課程を通した体系的な質保証の仕組み~」と題して基調講演がありました。「教学マネジメント指針」と「大学機関別認証評価」をもとに関係者による密接な検討を通して課題を洗い出し,学士課程・大学院課程を通した3つのポリシーやカリキュラムツリー・カリキュラムマップの体系的整理の取組について具体的な説明があった後,学修成果可視化システム(ASO)の紹介がありました。
次に,金沢大学 医薬保健研究域 医学系 医学教育研究センター 太田 邦雄 准教授より「金沢大学 医薬保健学域 医学類における教学マネジメント ~国際認証を通したアセスメントプランの整備~」と題して基調講演がありました。日本医学教育評価機構(JACME)の医学教育分野別評価を受審するに際して整備した教育プログラム評価,学修成果アセスメントについて具体的データを用いながら詳細な説明がありました。各種アンケート結果等を踏まえたカリキュラムの改善事例の紹介もありました。
さらに,金沢工業大学 情報フロンティア学部 心理科学科 田中 孝治 准教授より「自律的学修者を育てるための教学マネジメント ~学修方略に働きかける教育力~」と題して基調講演がありました。教員の教え方の質向上とともに,学修者の学び方の質向上が必要不可欠であり,双方が車の両輪となって育み合う学修環境としてのラーニングコミュニティ(学修共同体)の重要性を説明されました。その上で,「学修方略=学びに向かう力」の育成に関する各種アプローチについて紹介がありました。
後半の質疑応答・意見交換では,金沢大学 教学マネジメントセンター 林 透 教授によるファシリテートのもと,3名の講師による基調講演に関する質疑応答のほか,参加申込時に寄せられた事前アンケート回答結果に沿って,自律的学修者を育てるために,教学マネジメントとしてあるべき姿を考えるミニワークショップを展開しました。「学内における教学マネジメントに対する理解度の低さや全学への浸透の難しさの打開」「アセスメントプランの具体的運用の仕方」「学校教育段階から自律的学修の態度を修得する必要性」などについて意見交換がなされ,自律的学修者を育てるためには教員同士の共通理解や熱意の共有こそが大事であるという総括を行いました。教学マネジメントの原点について理解を深める貴重な機会となりました。
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