「知識集約型社会を支える人材育成事業」で取り組む文理融合・分野横断教育(STEAM教育)では,知識集約型社会(Society 5.0)が目指す人間中心の暮らしや経済を実現するために資する人材育成を目指しています。具体的には,「デザイン思考」や「アントレプレナーシップ」を身に付けながら新しい価値を創造するイノベーション人材の育成です。新たな価値創造の分野が「モノ」から「コト」にシフトしてきている中で,「コト」のデザインを行うことができる資質・能力が分野を問わず大事になってきています。
このような観点から,「デザイン思考力」を測定するアセスメントテストを新たに導入し,本事業で展開する文理融合・分野横断教育(STEAM教育)の教育成果及び学修成果の把握と検証に役立てることとしました。
「デザイン思考力」を測定する動きは,一部の大学で独自開発等による導入が検討されていますが,金沢大学では,就活生を主な対象として20万人規模の受検実績を有するVISITS Technologies 株式会社が開発する「デザイン思考テスト」を導入し,融合学域学生や先導STEAM人材育成プログラム(KU-STEAM)受講者を対象とした受検実施を始めました。
令和4年度に受検した学生166名について,共通教育GS科目6群「デザイン思考入門」受講者または融合学域における「デザイン思考」「デザイン思考演習」受講者を「デザイン思考教育受講経験あり群」として,「受講経験なし群」との差の検定を行ったところ,「デザイン思考教育受講経験あり群」のデザイン思考スコア平均が「受講経験なし群」のスコア平均より高く,有意差が見られました。この結果は,金沢大学におけるデザイン思考教育の成果のエビデンスの一つとなるものです。
このたび,金沢大学の取組が,VISITS Technologies 株式会社のWebサイトにおいて,「デザイン思考テスト」導入の先進事例として紹介されました。今後も,デザイン思考スコアの経年変化を確認しながら,金沢大学のデザイン思考教育の検証を続けていきます。
※VISITS Technologies 株式会社における事例紹介はこちらをご覧ください。
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